「え?これがシロアリなの?黒いじゃない?」
はじめてシロアリの羽アリを目にした方によく言われます。
シロアリは羽アリになって、木部の中や地中から外部に出て来る理由は、新しい王と女王が別のコロニーを形成するためです。
でも、なぜ、わざわざ黒くなる必要があるのでしょう?
あの大物日焼けシンガーと同じ!?
結論。羽アリの体が黒いのは、紫外線から身を守るためです。
シロアリの外皮がメラニン色素によって黒くなるのですが、このメラニン色素はチロシンと言う貴重なアミノ酸を材料にして作られます。
普段、日光に当たらない場所で活動しているシロアリにとって、黒くならない理由は、コストの削減のためなのです。
限りある腸内共生生物よ
シロアリが紫外線から身を守らなければいけない理由は2つあります。
1つ目、シロアリの体内にあるノルハルマンという物質が紫外線により有毒化してしまいます。
2つ目、腸内の共生生物を紫外線から守るためです。
この腸内の共生生物が、シロアリが食べた木を分解して、はじめてシロアリたちの栄養になりますから、シロアリにとってものすごく重要ないきものなのです。
われわれ人間からしたら下等生物に思えるシロアリですが、生きていくために理にかなった行動をとっています。
われわれ人間の方が不可解な行動をとっているのかもしれませんね。
限りない喜びと、この胸のときめきとともに美しい人生を生きましょう。